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MRガイド下集束超音波治療(FUS)  (医学研究所北野病院)

実施施設
  • 医学研究所北野病院
施設詳細
プログラム名
MRガイド下集束超音波治療(FUS)  (医学研究所北野病院)
ジャンル
プログラム概要
■ふるえ・パーキンソン病外来の開設
北野病院では「ふるえ・パーキンソン病」の治療を希望される方のため、新たな窓口を開きました。
多くの方が経験する「ふるえ」のうち、手がふるえて、うまく字が書けない、お箸が使えない、コップで水が飲めない、といった症状は「本態性振戦」の「ふるえ」の可能性があります。「本態性振戦」では手の「ふるえ」以外に、頭がゆれたりや声がふるえることもあります。この「本態性振戦」に対する治療では、薬の効果が弱い、あるいはお薬の副作用で十分に内服できないといった問題がしばしばみられます。
また「パーキンソン病」の症状として「ふるえ」がなかなか治らないという方があります。また「からだの動きが鈍い」という運動症状、あるいは薬を内服するとからだが勝手に動く「ジスキネジア」(運動合併症)が治りにくいという方もおられます。
当院では、「本態性振戦」や「パーキンソン病」の「ふるえ」、また「パーキンソン病」の運動症状や運動合併症に対して外科治療を行なっております。診察は「ふるえ・パーキンソン病」外来で受け付けております。

■新たな「切らない手術」の選択肢
「ふるえ」や「パーキンソン病」に対する外科治療に、新たに「切らない手術」の選択肢が加わりました。
現在「ふるえ」に対する保険診療として認められた外科治療は
1.脳深部刺激療法(DBS)
2.定位破壊術
3.集束超音波治療(FUS)
の3つの方法です。
このうち「集束超音波治療」は、最新の「切らない手術」で安全な方法として注目されています。超音波を用いるだけで、メスで切る、骨に穴を開けるといった手術操作が不要であり、「脳深部刺激療法」で用いるペースメーカー型の機械を埋め込む必要もありません。「集束超音波治療」は、頭を装置に固定した状態でMRI検査室に入り、脳の一部に超音波を集中させて、効果と安全性を確認しながら「ふるえ」を抑える、という画期的な治療法です。「切らない」方法であるために、従来の手術に比べ安心して治療に臨んでいただくことができます。当院では、2021年3月から「集束超音波治療」を開始いたします。現時点では右か左の片側の症状に対してのみ行います。
「集束超音波治療」は「本態性振戦」と「パーキンソン病」の「ふるえ」、また「パーキンソン病」の運動症状・運動合併症に対する保険認可を受けた治療法です。診察では「ふるえ」や「パーキンソン病」の症状やこれまでの治療を伺い、また頭部CT検査で頭蓋骨密度を測定して「集束超音波治療」が可能か判断します。なお治療の際には超音波装置を頭皮に密着させるため、髪の毛を全部剃っていただく必要があります。

①特徴:穿頭(頭蓋骨に孔をあける)や機器の埋め込みがないため、出血や感染症のリスクが小さく、身体への負担が少ないです。MRIでリアルタイムに正確な位置と温度を確認しながら治療を行います。治療中、医師と状況を対話確認しながら超音波照射、効果判定を行います。超音波のエネルギーを安全に頭蓋内ターゲットに到達させるため、髪の毛を剃毛する必要があります。
②所要時間:手術自体は通常3~4時間程度
③日数:⑴外来検査(3日間)、⑵手術・入院(2泊3日)、ただし⑴と⑵の期間を約2週間開ける必要があります。
④実績:2021年度~2023年度実績→163件
⑤効果:病気そのものを治す根治治療ではなく、手のふるえの症状軽減を目的とする緩和的治療法です。

FUS紹介パンフレット
https://www.kitano-hp.or.jp/wp-content/uploads/2024/12/FUS_kaisetsu_en.pdf
https://www.kitano-hp.or.jp/wp-content/uploads/2024/12/FUS_kaisetsu_zh.pdf
https://www.kitano-hp.or.jp/wp-content/uploads/2024/12/FUS_kaisetsu_ko.pdf
FUS紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=NgD-G6_T4ZM
受診条件・受診不可項目
対象疾患・病状:本態性振戦やパーキンソン病による手のふるえ
このプログラムに関する詳しい情報は、
こちらからお問い合わせください。