くも膜下出血治療【医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院】

外科 医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院(近畿/大阪府)

くも膜下出血に迅速対応             再破裂を防ぐ確かな治療

くも膜下出血は命に関わる危険な病気です。再破裂を防ぐため、早期に開頭手術や脳血管内治療を実施し、徹底した管理で予後改善に努めています。

ジャンル
  • 診療科
    外科
  • 疾病
    その他循環器疾患
  • 検査項目・治療法・術式
    外科手術  セカンドオピニオン  
  • 部位・臓器
    頭頚部 心臓 血管
プログラム概要
くも膜下出血 
-突然の激しい頭痛は要注意-
突然今までに経験したことのない激しい頭痛と吐き気、嘔吐が起こったら、くも膜下出血を疑います。くも膜下出血は、脳の血管の分かれ目にできた血管のコブ(脳動脈瘤)が破れて起こる病気です。破れた脳動脈瘤から漏れ出た血液は、脳の隙間(すきま)を埋め尽くし、脳全体を締め付けるように圧迫します。脳の内圧が上がると生命の危険に至ります。くも膜下出血が起こった時の状態で、重症度が5段階に分けられています。最も軽症のものは、軽い頭痛のみでかかりつけ医を受診し、風邪と間違われることもあります。激しい頭痛と嘔吐で運ばれてくる中程度のものから、意識障害を呈して昏睡状態で運ばれてくる最も重症のものまで様々です。病院に搬送された時の状態が重症であるほど、予後は不良となります。破れた脳動脈瘤は一時的に自然に止血されますが、数時間から半日以内に再び破れる危険があります。破裂を繰り返すたびに脳のダメージは強くなり、一気に重症化します。
くも膜下出血の治療は破裂した脳動脈瘤の再破裂を未然に防ぐことから始まります。現在、再破裂予防には二つの手術方法(開頭手術と脳血管内治療)があります。破裂予防の手術が無事終わると、今度は血管の縮み(脳血管れん縮)に対する点滴治療が必要となります。血管の縮みが強いと、脳の血流不全が起こり、脳梗塞を引き起こすことがあります。脳梗塞が起こると麻痺や失語症などの後遺症が出ます。また脳の隙間に残った血液(血腫)が原因で目詰まりが起こると、脳の水(髄液)の流れや吸収が悪くなり、脳の中にある「脳室」と呼ばれる髄液を産生する部分に髄液が溜まり、脳室が拡大してきます。この状態を「水頭症」といいます。髄液の自然な吸収が障害されるため、髄液を流すための追加手術が必要となります。急性期に水頭症が起こった場合には脳の内圧が急激に上昇するため、緊急で髄液を外に排出するための「脳室ドレナージ術」が必要になります。慢性期に水頭症が起こった場合には、持続的に自分の体内に髄液を流し続けるためのシャント手術が必要となります。現在シャント手術には2通りの方法があり、脳室から腹腔に髄液を流す「脳室―腹腔シャント術」、腰の脊髄の隙間から腹腔に髄液を流す「腰椎―腹腔シャント術」があり、患者様の病態に応じて選択しています。
このように、くも膜下出血が起こると、脳内に様々な現象が起こってきます。破裂した脳動脈瘤の処置、脳血管れん縮の治療、水頭症の治療を乗り切ることができてはじめて元気に退院することができます。しかし、社会復帰できる率は未だに50%程度で、残り50%の方は亡くなったり、重篤な後遺症が残ると言われており、依然として恐い病気のひとつです。
実施医療機関
医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院
〒596-0042
岸和田市加守町4-27-1 
検査項目
設定日
設定除外日
所要日数 / 時間
開始/終了時間
受診条件・受診不可項目
【受入条件】

1. 診療情報:
- 診断名(くも膜下出血、脳動脈瘤破裂など)
- 症状の詳細(激しい頭痛、嘔吐、意識障害など)
- 他院での検査結果(CT、MRI、血管造影など)
- 併存疾患の有無(高血圧、糖尿病、腎疾患など)

2. 治療歴の有無:
- 過去の脳血管治療歴(開頭手術、カテーテル治療など)
- 使用中の薬剤(抗凝固薬、抗血小板薬など)
- アレルギーや薬物反応の有無

3. 年齢および体力:
- 高齢患者や併存疾患を持つ患者に対して手術・治療に耐えられる体力の確認
- 全身麻酔が可能かどうかの評価(心肺機能の確認を含む)

4. 腎機能:
- 造影剤使用の必要があるため、腎機能の評価が必要(腎機能が低下している場合は注意が必要)

5. 緊急性:
- 急性くも膜下出血や脳動脈瘤破裂など緊急対応が必要な症例かどうか

6. その他条:
- 血圧管理が適切に行えるか、術前・術後の血圧管理に協力可能か
- 抗血小板薬や抗凝固薬の管理が可能であること
注意事項・禁忌事項
【注意・禁忌事項】

1. 治療の適応外となるケース:
- 重度の腎機能低下がある場合は、造影剤使用が難しくなるため、カテーテル治療が禁忌になることがあります。
- 血圧管理が困難な患者は、再破裂のリスクが高まるため、慎重な対応が必要
- 抗血小板薬の服用中止が困難な場合、出血リスクが高く、治療が制限される場合があります。

2. 全身麻酔に関する禁忌:
- 心肺機能の低下や全身麻酔がリスクとなる併存疾患がある場合は、麻酔の慎重な管理が求められます。
- 薬剤アレルギーがある患者は、使用薬剤について事前に確認が必要

3. 治療のリスク:
- カテーテルや手術の過程で、出血、血栓形成、脳梗塞などの合併症が発生する可能性があります。特に脳内での合併症は重篤な影響を及ぼす可能性がある
- 水頭症や血管れん縮が術後に発生するリスクがあり、継続的な管理が必要

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【事前に伝えておくべき諸注意】

1. 術前準備:
- 抗凝固薬や抗血小板薬の中止については医師の指示に従い、適切に対応する必要があります。
- 術前の検査(CT、MRI、血液検査、腎機能検査など)を受けることで、診断と治療の正確さを確保

2. 術後のケアとリスク:
- 出血、感染症、血栓形成などのリスクがあるため、異常を感じた際には速やかに医療機関へ連絡
- 脳血管れん縮や水頭症などのリスクに備え、術後は適切なフォローアップが重要

3. 生活習慣とリハビリ:
- 退院後は過度な運動や高血圧に繋がる活動を避けることが推奨されます。生活習慣の改善や適切な運動
- 禁煙・適切な食事管理など、動脈硬化予防に努めることが再発防止に重要

4. 入院および術後のスケジュール:
- 入院期間や治療後のリハビリ期間について事前に確認
- 退院後も定期的に経過観察とフォローアップを受けることが必要

5. 緊急時の対応:
- 退院後、激しい頭痛、視力障害、吐き気、麻痺などの症状が現れた場合には、速やかに医療機関に連絡します。
- 緊急時に対応可能な医療機関や担当医の連絡先を事前に確認

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