ニュースリリース
【特集】BNCT:ホウ素中性子捕捉療法 — 日本が育ててきた放射線治療の選択肢|JMHC ジャーナル(20260722)
FEATURE / BNCT
BNCT:ホウ素中性子捕捉療法
日本が育ててきた放射線治療の選択肢
ホウ素薬剤と中性子の反応を利用してがん細胞をねらう放射線治療、BNCT。 20世紀前半から研究が続けられ、2020年には日本で頭頸部がんに対して保険適用が始まりました。 本記事では、しくみと日本での歩み、国内で治療・研究を行う医療機関、 そして海外から検討される方に向けたJMHCの立ち位置を整理します。
BNCTとは何か
BNCT(Boron Neutron Capture Therapy/ホウ素中性子捕捉療法)は、 がん細胞に集まりやすい性質をもつホウ素薬剤を投与し、 そこに中性子を照射することで、 細胞内で起こる反応を治療に利用する放射線治療です。 従来の放射線治療と異なり、反応が起こる範囲が細胞レベルに近く、 「がん細胞をねらう」という発想で研究・臨床応用が進められてきました。
照射は原則として1回で行う計画で組まれます。 手術が難しい病変や、既存の放射線治療では十分な効果が得られにくい場合にも、 治療選択肢となる可能性がある治療として位置づけられています。
治療のしくみ(3ステップ)
治療の理論は、大きく3つのステップに整理されます。
出典:湘南鎌倉総合病院 先端医療センター「BNCTのしくみと歩み」(skgh.jp/department/advanced/bnct/)/参照日:2026年7月20日。
日本での研究と臨床応用の歩み
BNCTの考え方自体は古く、日本では大学・研究機関・医療機関を中心に、 研究用原子炉を用いた研究や臨床研究が長く続けられてきました。 近年は加速器を用いた中性子発生装置の開発が進み、医療機関で実施できる治療へと発展しています。
出典:湘南鎌倉総合病院「BNCTのしくみと歩み」(skgh.jp)、 厚生労働省・関連公表資料を要約/参照日:2026年7月20日。
国内でBNCTを行う医療機関
現在、国内でBNCTを実施している医療機関は、大きく保険診療で行っている施設と、 治験・特定臨床研究・自由診療という枠組みで行っている施設に分かれます。 対象となるがんの種類や条件は施設ごとに異なるため、 「どの疾患で・どの枠組みで検討したいか」を整理したうえでの相談が有用です。
- 大阪医科薬科大学 関西BNCT共同医療センター Osaka Medical and Pharmaceutical Univ. — Takatsuki, Osaka 保険診療 対象:切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん
- 南東北BNCT研究センター Southern Tohoku BNCT Research Center — Koriyama, Fukushima 保険診療 対象:切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん
- 湘南鎌倉総合病院 先端医療センター Shonan Kamakura General Hospital — Kamakura, Kanagawa 特定臨床研究/自由診療 対象:全身の固形腫瘍(個別判断)
- 江戸川病院 Edogawa Hospital — Edogawa, Tokyo 特定臨床研究/自由診療 対象:再発乳がん、FDG-PET陽性の浅在性腫瘍 等
- 国立がん研究センター中央病院 National Cancer Center Hospital — Chuo, Tokyo 治験 対象:胸部固形がん、皮膚腫瘍 等
- 筑波大学附属病院 Univ. of Tsukuba Hospital — Tsukuba, Ibaraki 治験 対象:初発膠芽腫(グリオブラストーマ)
※上記は公開情報に基づく2026年7月時点の要約です。対象疾患・実施枠組みは各施設の判断で変更される可能性があります。最新の実施状況は各医療機関の公式情報をご確認ください。
実施医療機関一覧
各施設の位置づけを、横並びで比較しやすい形にまとめました。
関西BNCT共同医療センター
(南東北がん陽子線治療センター 隣接)
先端医療センター
JMHCの役割 — 医療エージェントとして
JMHCは、日本の医療機関で受診・治療を検討される海外の患者さま・ご家族・紹介元の医師の皆さまに対して、 渡航前の情報整理から、日本国内での受診サポートまでを一貫してご案内する医療エージェントです。 BNCTのように「実施医療機関ごとに条件が異なる」治療については、 ご相談内容をふまえて複数の候補施設をご案内し、比較して検討できる形で情報を整理します。