プログラム詳細
乳がん集学的治療【医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院】
外科
医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院(近畿/大阪府)
幅広い治療選択肢で乳がん患者のQOLを向上
乳房温存や再建手術、化学療法、放射線治療など幅広い治療を提供し、乳がん治療の専門的なケアでQOLの向上を目指します。
- ジャンル
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- 診療科
- 疾病
- 検査項目・治療法・術式
- 部位・臓器
- プログラム概要
- 当院では、手術、薬物療法、放射線治療の全てが可能であります。
手術では、乳房温存手術、乳房切除手術、センチネルリンパ節生検、リンパ節郭清、自己組織を用いた乳房再建が可能です。
乳房温存手術やセンチネルリンパ節生検では、病理医の協力により手術中に切除断端の検索やリンパ節転移の有無を知ることが可能です。センチネルリンパ節生検では、Z-0011試験(肉眼的転移が2個までの場合は、リンパ節の追加切除が不要)やAMAROS試験(臨床的にリンパ節転移が陰性と判定される場合は、センチネルリンパ節に転移があっても術後に放射線治療を行うことで追加切除が不要)の結果に基づき、不快な合併症を引き起こすリンパ節の切除を可能な限り回避します。センチネルリンパ節生検に関しては、保険適用前の2000年7月より開始し、経験症例数も2500例を超え、これまでに数多くの研究も行なっております。
自己組織を用いた乳房再建では、通常よく実施される比較的大きな切除を要する乳房部分切除に併施される広背筋再建のみならず乳腺を全て切除(多くは乳頭を温存します)し比較的大きなボリュームが得られる拡大広背筋皮弁(腰の部分までの脂肪と筋肉を使用します)で術後の放射線治療を行わずに治療することも可能です。拡大広背筋皮弁による乳房再建では、通常の広背筋皮弁の欠点である再建乳房のボリューム不足が解消されるのみでなく、広背筋皮弁の利点である安定した血流が保持されるため、背部の傷がブラジャーに隠れないという僅かな欠点は存在するものの優れた術式です。手技に関しても既に確立しており岸和田徳洲会病院でも安心して本術式を受けて頂くことが可能です。
乳頭を温存する手術に関しては、膨大な症例の解析に基づき、これまでに学会報告を行うのみならず数多くの著書や論文を執筆しており、通常の施設では、乳頭切除となってしまうような場合でも我々の考案した術式の工夫により乳頭温存が可能となることも少なくありません。乳頭温存手術では、乳頭の壊死(腐ってしまうこと)と温存した乳頭の再発が問題となりますが、これまでの検討から乳頭の壊死は一人も発生していない一方で、治療成績も乳頭を併せて切除する乳房切除手術と同等の成績が得られており、乳頭温存手術に関しても安心して受けていただくことが可能です。
薬物療法、特に抗がん剤や分子標的治療を含んだ治療は、標準治療に従って実施しますが、様々な治療を組み合わせて一般的には根治が困難と思われる場合にも患者さんと十分に相談しながら根治を目指すこともあり、実際に根治が得られたと思える症例も多数経験しております。この領域に関しては、乳腺専門医の間でも大きく意見が分かれるため遠慮せずご相談ください。私自身は、外科医ですが薬物療法の経験も多く様々な対応が可能です。更に当院では放射線治療も可能であるため再発・転移乳癌であっても集学的治療により最善の治療を目指します。更に骨転移の診断・治療に関しても長年にわたり取り組んでおり、様々な研究を行なって参りました。骨転移でお困りの患者さんも気軽にご相談下さい。
以上以外にも多くの様々な臨床経験を有しておりますので、気になる事、お困りの事があればご相談頂ければ幸いです。
- 実施医療機関
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医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院
〒596-0042
岸和田市加守町4-27-1
- 検査項目
- 設定日
- 設定除外日
- 所要日数 / 時間
- 開始/終了時間
- 受診条件・受診不可項目
- 【受入条件】
1. 診療情報:
- 診断名(乳がん、骨転移を伴う乳がんなど)
- がんのステージや進行度、がんの位置(乳頭温存の可否など)
- 他院での検査結果(マンモグラム、MRI、CT、PETなど)
- 併存疾患の有無(糖尿病、心疾患、腎疾患など)
2. 治療歴の有無:
- 過去の乳がん治療歴(手術、化学療法、放射線治療など)
- 現在使用中の薬剤(抗がん剤、抗凝固薬、ホルモン療法など)
- アレルギーや薬物反応の有無
3. 体力および年齢:
- 高齢者や基礎疾患がある患者が手術や化学療法、放射線治療に耐えられるかの確認
- 再建手術や薬物療法に対応可能かの評価
4. 術前検査と準備:
- 術前に必要な検査(血液検査、心電図、腫瘍マーカー検査など)を受けられること
- 手術前の生活習慣管理や、薬物療法での体調管理ができること
5. 術後のフォローと生活指導:
- 術後や治療後の通院・フォローアップに協力できること
- 放射線や化学療法中の副作用管理や生活習慣指導に従えること
- 注意事項・禁忌事項
- 【注意・禁忌事項】
1. 治療の適応外となるケース:
- 重度の心疾患や腎疾患を有し、手術や化学療法に耐えられない場合、治療が制限されることがあります。
- 放射線治療を受けられない(皮膚炎や放射線過敏症など)場合や、抗がん剤やホルモン治療に対してアレルギー反応がある場合は、治療方法に工夫が必要です。
- がんが広範囲に転移している場合、手術が根治目的ではなく、症状緩和に限定される可能性があります。
2. 術後・治療中の副作用リスク:
- 手術後に感染、血栓、リンパ浮腫のリスクがあるため、創部のケアや血流管理が重要です。
- 化学療法や放射線治療では吐き気、脱毛、疲労、免疫力低下が発生することがあり、定期的な副作用管理が必要です。
- 骨転移治療では、骨折リスクが高まることがあるため、日常の動作や負担を減らすよう指導を受ける必要があります。
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【事前に伝えておくべき諸注意】
1. 術前準備:
- 抗凝固薬や抗血小板薬を服用中の場合、手術前に中止が必要なことがあり、医師の指示に従って服薬管理を行います。
- 術前の検査(血液検査、CT、心電図など)で手術適応や体調確認が必要です。
2. 副作用対策とフォローアップ:
- 化学療法や放射線治療中は吐き気、しびれ、倦怠感が見られることがあるため、医師に相談しながら対策を行います。
- 術後や治療中は体調の変化に気を付け、異常があれば速やかに受診することが大切です。
3. 生活習慣と日常の注意:
- 免疫力が低下しやすいため、感染予防を徹底し、適度な休養と栄養バランスを心がけます。
- 日常の動作に配慮し、リハビリテーション指導を受けて徐々に生活リズムを整えます。
4. 定期的なフォローアップ:
- 治療後は定期的な通院や検査で経過観察を行い、再発や転移の兆候がないかを確認します。
- 症状の再発や体調の変化があれば、早めに医師に相談することが重要です。
5. 緊急時の対応:
- 手術後、または治療中に発熱、強い痛み、出血、感染症状などの異常が現れた場合には、すぐに医療機関へ連絡
- 緊急時に対応可能な医療機関や担当医の連絡先を確認