骨盤機能外科(便失禁・骨盤臓器脱)【医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院】

外科 医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院(近畿/大阪府)

便失禁や骨盤臓器脱に対応
高度な治療で生活の質向上

便失禁や骨盤臓器脱に対し、仙骨神経刺激療法や腹腔鏡手術でQOLを改善。約70%の患者で便失禁の効果が期待できます。

ジャンル
  • 診療科
    外科
  • 疾病
    がん・腫瘍 その他消化器疾患  てんかん
  • 検査項目・治療法・術式
    化学療法 セカンドオピニオン  
  • 部位・臓器
    胃 腸 食道
プログラム概要
便失禁などの大腸機能性疾患や骨盤臓器脱に対する治療(骨盤機能外科)
【対象疾患】便失禁、慢性便秘症、直腸脱など

仙骨神経刺激療法
近年排便や排尿に関する機能性疾患が問題となっています。日本人の場合、便失禁の患者さんは約500万人と推定されています。これらの疾患は高齢の方に多いといわれていますが、直腸や前立腺の手術を受けた患者さんのなかにも排便障害や排尿障害が起こることがあり、その場合QOLが大きく損なわれてしまいます。 当科では、骨盤の中の臓器である直腸、膀胱、子宮や骨盤の底にある筋肉群(肛門挙筋・肛門括約筋など)の機能障害により引き起こされる便失禁、便秘、骨盤臓器脱(直腸脱)などの疾患を総合的に診療し、専門的な治療を行っています。便失禁や直腸脱に対しては、薬物治療で軽快しない場合、外科的治療の適応となります。

便失禁に対する外科的治療として仙骨神経刺激療法(SNM)があり、2017年に発刊された「便失禁診療ガイドライン」において、有効な治療法として推奨されています。一時的な刺激装置で約2週間刺激し、効果が認められたときのみ永久的な刺激装置を腰背部の皮下に植え込みます。仙骨神経刺激療法にて約70%に便失禁改善効果を認めています。 直腸脱に対する外科的治療として、経肛門的手術と経腹的手術があり、脱出の程度により術式を決定します。経腹的術では低侵襲治療として、腹腔鏡下直腸固定術(腹腔鏡下に直腸をお腹の中に引き上げ固定する手術)を行っています。
実施医療機関
医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院
〒596-0042
岸和田市加守町4-27-1 
検査項目
設定日
設定除外日
所要日数 / 時間
開始/終了時間
受診条件・受診不可項目
【受入条件】

1. 診療情報:
- 診断名(便失禁、慢性便秘症、直腸脱などの骨盤機能性疾患)
- 症状の詳細(便失禁の頻度、排便・排尿障害、骨盤臓器脱の程度など)
- 他院での検査結果(腹部CT、MRI、内視鏡検査、肛門機能検査など)
- 併存疾患の有無(糖尿病、神経障害、心疾患など)

2. 治療歴の有無:
- 過去の消化器・骨盤機能の治療歴や手術歴(特に直腸・前立腺手術など)
- 現在使用中の薬剤(抗凝固薬、便秘薬、鎮痙薬など)
- アレルギーや薬物反応の有無

3. 年齢および体力:
- 高齢者や基礎疾患がある患者の手術・麻酔に耐えられる体力の確認
- 仙骨神経刺激療法や腹腔鏡下手術に対応可能かの評価

4. 術前検査と準備:
- 術前に必要な検査(血液検査、心電図、肛門・骨盤機能検査など)を受けられること
- 手術前の生活習慣管理が可能であること

5. 術後のフォローと生活指導:
- 定期的な術後フォローアップやリハビリに協力できること
- 術後の生活習慣指導に従い、食事や排便ケアに協力できること
注意事項・禁忌事項
【注意・禁忌事項】

1. 治療の適応外となるケース:
- 重度の神経障害(脊髄損傷や神経疾患が原因での便失禁など)の場合、仙骨神経刺激療法の効果が期待できないことがあります。
- 全身麻酔のリスクが高い場合や重度の心疾患を持つ患者は、手術が制限されることがあります。
- 感染症がある患者や皮膚に炎症がある場合は、植込み手術の適応外になることがあります。

2. 仙骨神経刺激療法に関するリスク:
- 仙骨神経刺激療法の過程で感染、電極や刺激装置の移動、機器故障などのリスクが伴います。
- 一部の患者で効果が見られない場合もあり、事前に試験的な刺激装置の効果判定が重要です。

3. 腹腔鏡下手術に関するリスク:
- 手術での出血、感染、腸の損傷などのリスクがあるため、術後の体調管理が必要です。
- 術後に一時的な便秘や腸の動きの遅れが発生する場合があるため、経過観察が重要です。

---

【事前に伝えておくべき諸注意】

1. 術前準備:
- 抗血小板薬や抗凝固薬を服用中の患者は、医師の指示に従い、手術前に中止または管理を行います。
- 必要な術前検査(肛門機能検査、心電図など)を受け、手術適応を確認します。

2. 術後のケアとフォローアップ:
- 仙骨神経刺激療法後、異常な痛み、感染症状、電池の違和感などがあれば、早急に医療機関に連絡します。
- 術後に一時的な便秘や排便困難が生じる場合があるため、食事管理や排便サポートが必要です。

3. 生活習慣と日常の注意:
- 刺激装置を使用する際は、携帯電話や電子機器による干渉に注意し、説明に従って使用します。
- 術後は刺激装置を長く使用するため、定期的な外来受診で状態を確認し、適切にケアを行います。

4. 定期的なフォローアップ:
- 刺激装置や腹腔鏡手術後の経過観察が必要で、定期的に医療機関でのチェックを受けることが推奨されます。
- 症状が再発したり体調に変化があった場合、早めに受診し、医師に相談します。

5. 緊急時の対応:
- 刺激装置に関連して**感染、異常な痛み、機器の不具合**が生じた場合はすぐに医療機関へ連絡
- 緊急時に対応可能な医療機関や担当医の連絡先を確認

同じ地域にある滞在サポート企業