プログラム詳細
三叉神経痛・片側顔面けいれん治療【医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院】
外科
医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院(近畿/大阪府)
顔の痛み・けいれんを解消
神経と血管の圧迫を除去
三叉神経痛や片側顔面けいれんは、神経と血管の接触が原因です。神経血管減圧術により、激しい痛みやけいれんを根本から改善できます。
- ジャンル
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- 診療科
- 疾病
- 検査項目・治療法・術式
- 部位・臓器
- プログラム概要
- 血管と神経が接触して起こる病気
食べ物を噛んだときや何かが頬に触れた際に、「焼け火鉢でえぐられるような激痛」が片側の歯ぐきや下顎、頬に走ることがありませんか。また片側の目の周囲から頬にかけて顔面の筋肉が自分の意志とは無関係にぴくぴくと動いていることはありませんか。
前者は「三叉神経痛」、後者は「片側顔面けいれん」と呼ばれています。これらの原因は、脳の深部にある脳幹と呼ばれる部分から出ている顔面神経や三叉神経の根元で、脳幹周囲にもともと存在する細い血管が接触して起こってきます。三叉神経痛では最初は歯の痛みとして歯科を受診し、抜歯されていることもあります。これらの病態が生命を脅かすことはありませんが、あまりの激痛に自殺を考える方もいます。また人前で顔面がぴくぴく動くのが恥ずかしいといった美容的な面で悩んでいる方も多くいます。
三叉神経痛に対しては鎮痛剤でコントロールされたり、顔面けいれんに対してはボツリヌスの毒素を顔面の筋肉に少量注射し、筋肉を麻痺させてけいれんを止める保存的治療もなされています。しかしこれらの保存的治療は一時的な対症療法のため、徐々に痛みやけいれんがコントロールできなくなってきます。
これらの症状を根本的に治療するためには、三叉神経や顔面神経に接触している血管を離す手術(神経血管減圧術)が有効です。この手術は耳の後ろの骨の一部を500円玉くらい削って、そこから脳の隙間を通って脳幹周囲にたどりつき、神経と接触している血管の間に小さなクッションを置いてくる手術です。手術の直後から顔面の痛みやけいれんが消失します。
顔面の痛みやけいれんで長年悩んでいる方は一度MRIで神経と血管が当たっていないか調べてみましょう。
- 実施医療機関
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医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院
〒596-0042
岸和田市加守町4-27-1
- 検査項目
- 設定日
- 設定除外日
- 所要日数 / 時間
- 開始/終了時間
- 受診条件・受診不可項目
- 【受入条件】
1. 診療情報:
- 診断名(三叉神経痛、片側顔面けいれんなど)
- 症状の詳細(顔面の激痛、けいれんの頻度や範囲など)
- 他院での検査結果(MRIでの神経と血管の接触の有無)
- 併存疾患(高血圧、糖尿病、心疾患など)
2. 治療歴の有無:
- 過去の治療歴(鎮痛剤、ボツリヌス注射、その他の神経治療など)
- 使用中の薬剤(抗けいれん薬、鎮痛薬など)
- アレルギーや薬物反応の有無
3. 年齢および体力:
- 高齢者や基礎疾患がある患者の場合、手術や麻酔に耐えられる体力の確認
- 全身麻酔下での手術が可能かどうか
4. MRI検査による評価:
- 外来のMRI検査で、神経と血管が接触している所見が確認されていること
- 症状が手術で改善する見込みがあるか
5. 術後管理とフォローアップ:
- 術後の定期フォローアップに協力できること
- 術後の生活指導を守れること
- 注意事項・禁忌事項
- 【注意・禁忌事項】
1. 治療の適応外となるケース:
- 重篤な併存疾患(心疾患、未治療の感染症、腎不全など)がある場合、麻酔リスクが高まり、手術適応外となることがあります。
- 神経と血管の接触がない場合、神経血管減圧術の効果が期待できないため、手術適応外となります。
- 抗凝固薬を中止できない場合、出血リスクが高く手術が制限されることがあります。
2. 神経血管減圧術に関するリスク:
- 手術による感染、出血、聴力低下、顔面神経麻痺などの合併症リスクがあり、特に高齢者では慎重な管理が必要です。
- 脳脊髄液漏のリスクが伴い、術後に症状が現れた場合は再手術が必要になることがあります。
3. 術後の再発リスク:
- 一部の患者で、痛みやけいれんが再発することがあり、再手術の可能性があります。
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【事前に伝えておくべき諸注意】
1.術前準備:
- 手術前には、抗血小板薬や抗凝固薬の中止が必要であり、出血リスクを避けるために医師の指示に従います。
- 外来でのMRI検査を受け、神経と血管の接触の有無を確認することが必須です。
2. 術後のケアとフォローアップ:
- 感染や出血、麻痺のリスクがあるため、術後は異常があれば速やかに医療機関に連絡します。
- 術後の頭痛やめまいは一時的なものであることが多いですが、症状が続く場合は医師に相談が必要です。
3. 生活習慣と日常の注意:
- 術後は頭を強く打たないように注意し、運動や日常生活にも配慮します。
- 術後にストレスが症状を悪化させる可能性があるため、生活習慣を見直し、リラックスした環境で過ごすことが望ましいです。
4. 定期的なフォローアップ:
- 退院後は定期的に外来でのフォローアップ*が必要で、MRIやその他の検査で経過を観察します。
- 痛みやけいれんが再発した場合、速やかに再受診を行い、再治療の必要性を評価します。
5. 緊急時の対応:
- 退院後、強い頭痛、顔面の麻痺、耳鳴りや聴力低下などの異常が現れた場合には、早急に医療機関へ連絡
- 緊急時に対応できる医療機関や担当医の連絡先を事前に確認